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「おい、熊さん」「何でしょう、ご隠居」「今日の活動写真の題名は何だと思う?」「活動写真の鯛目でございますか。何だとおっしゃられても鯛目は鯛の目でございましょう?」「誰が落ち目の三文役者だって?」「いやいや、落ち武者に山門で襲われてはおりません。」「武者小路実篤の小説が好きとは知らなかった」「小説といえば、ご隠居、最近・・・・ ん?まだ映画紹介のがマシだから、早くそっちにしてくれ?ほらー、皆やっぱり楽しみにしてるだろー。本音が出ましたねー。はっはっは。まだ落語の途中なんだけどねー、じゃあ映画紹介にしましょうしましょう。 それで、その、「Ub Iwerks」さんがどんな人なのか知ってるかー。先生にとってこの人はもっとも尊敬すべき大偉人なんだがねー。はっはっは。偉人も偉人。そーねー、マルクス兄弟3人を足して3で割ると見せかけて、実はゼッポもいたから2の平方根を求めてみたら、ひとよひとよにひとみごろ、ってぐらいの偉大さだよ。何を言ってるかわからない?いや、先生にもわかんないんだけどね。はっはっは。 アブ・アイワークスは、ディズニーの会社創設時からアニメーターとして活躍してて、実質的にかの世界一有名な二本足で歩くネズミを生み出したとされている人だ。ミッキーって名前。その後は、実写とアニメの合成技術等視覚効果の方面で活躍していて、1964年の「メアリー・ポピンズ」、そうそう、ジェリー・アンドリュースが傘さしてるあの映画だけどね、 ♪〜 ちむちむにぃぃ ちむちむにぃぃ ちむちーむちぇりぃぃぃぃ 歌は止めろ?そうか。早く先が聞きたい、とそういうわけだな。はっはっは。えーと、あ、そうそう、その「メアリー・ポピンズ」で、アカデミー賞の科学技術賞というのを受賞したりとか、ヒッチコックのね「鳥」ってあったじゃないか、あの、とにかく上野公園にいる鳩を全部集めたぐらいの数カモメとかが出てくる映画。ヒッチコックって熊倉一雄が吹き替えないと何となく気分が出ないよね。あと、NHKでたまにやってるイギリスの「名探偵ポアロ」とか。まあ、関係ないけどね。はっはっは。とにかく、「鳥」だよ「鳥」。その「鳥」でも特殊視覚効果賞にノミネートされたりしてるという、技術の人だったわけだねー。 しかーし。アブ・アイワークスの真の最も偉大な業績について、きちんと評価している人は少ないねー。どー考えても、一番の業績は・・・・おい、聞いてるかー!今から重要なポイントだぞー。試験には出ないけどね。数学の試験にはちょっとね、そぐわないから。で、彼の一番の業績は、「かえるのフリップ」というキャラクターを生み出したこと!どーだ。もうこれだけでアカデミー賞と欽ちゃんの仮装大賞を合わせたぐらいの業績だよ。そー思うだろー。思うって。思いなさい。思えば思う時思えーーーーーーーーーーー!!! アブ・アイワークスは一度、1930年頃に、ディズニーの元から離れて、独立したスタジオをつくるんだけど、そのスタジオが最初に世に送り出したのは、MGM、あのオープニングでライオンが吼えるやつ、あの映画会社だよ、え?何の略?そりゃ(M)モット(G)ガンバレ(M)モスバーガーに決まってるじゃないか、違う?まあいいさ、そのMGMのために作られた短編アニメーション、「Flip the Frog」だったわけだ。 MGMというと、あの、猫とネズミがおっかけっこというやつ、トムとジェリーって名前の、それがね、やけに有名になっちゃってるけど、それ以前にきっちりと「かえる」のシリーズを作ったということこそ、評価すべき点だよ。うん。 この「かえるのフリップ」、1930〜33年の4年間に38本作られていて、その題名一覧については、ここ(http://www.vitaphone.org/flip.html)、もしくはここ(http://www.bcdb.com/pages/Other_Studios/C/Celebrity_Productions/Flip_the_Frog/)のサイトに載ってる。え?パソコンもないのに誰に向かって喋ってるって?いやこっちの話こっちの話。誰か必要にしている人もいるかと思ってね。はっはっは。 不思議なことに、記念すべき一作目がカラーで、あとは全部白黒なんだ。白黒。ぅほぅあいとあんどぶるぁぁぁっく。英語英語。英語で言うなら「Black and White」だろう?まーね。数学専門だからね。はっはっは。 一作目は多分、パイロット版というか、配給会社へのプロモートも含めてのね、力が入った作りだったからでしょうね。二作目以降は、MGMがあんまり予算をとらなかったとか。知らんけど。そうそう、先生のね、教育研究費もどんどん削られるいっぽーでねー。まあ、「駅周辺における飲み屋の分布関数とその経済効用」ってぶち上げて、学校の金で飲み屋に通ってたのが悪かったかもしれんけどねー。はっはっは。いやいや、ちゃんと研究してましたよ。ホントに。先生が飲み屋に行く回数は、財布の中身に正比例してるとか、結構重要な発見があったんだぞー。当たり前?いや、重要だって。 このカラーのフリップの題名は「Fiddlesticks」。ごく些細な、くだらないこと、みたいな意味だ。ちゃんと辞書ひいたから信じて大丈夫だぞー。はっはっは。その雄姿はこれ! で、とにかく実際に見なくちゃ話がすすまなぁぁい。ってことで探しました。インターネットってゆーのはこーゆー時実に便利だねー。アブ・アイワークススタジオの作品を集めた「Cartoons That Time Forgot:The Ub Iwerks Collection #1、#2」というDVDが出ておりました!「忘れられた漫画」シリーズというのはちょっと気になるけどね。もちろん日本で出てるわけじゃなくて、アメリカ。アメリカのDVDはねー、だいたいリージョンコードってのがあってねー、日本と違うんですよ。だから日本のプレイヤーじゃ普通再生できないわけ。でも、このDVDは、まるで天が先生に「このDVDを見よ」って言ってるか言ってないか微妙なニュアンスがあるくらいおあつらえ向きなことに、「リージョンフリー」だったんだよ。早速注文してね、船便がつくのを一日千秋、三日坊主で待ちつづけたら、3週間ほどで到着、手に入ったわけだ。はっはっは。え?学校の金で買ったんだから先生のじゃないだろう?いやいや、そりゃそーですよ。単に先生が代表で自分の家に保管しとくだけだって。 このねーDVDには、フリップ38作のうち、実に27作までが収録されてて、もー大満足、ってゆーか、げっぷが出そうな内容だよ。とにかくひとつづつ紹介して行こう!
1930年の作品
1931年の作品
1932年の作品
1933年の作品
ああ疲れた。さすがにねー、先生もここまで連続で、この手のアニメを見るとね、疲れます。蛙的には、フリップはもっと盛り上げるべきキャラクターだけどねー。とにかく今回は疲れましたよ。はっはっは。 |
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【作品データ】 シリーズ名 かえるのフリップ(Flip the Frog) 製作国 アメリカ 公開年 1930〜33年 監 督 アブ・アイワークス Ub Iwerks 作 画 アブ・アイワークス Ub Iwerks 音 楽 カール・スターリング Carl Stalling |